インクルージョンの文化を築く

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従業員ネットワークグループのサポートで声を届ける

2020年、私たちはさまざまな変化と向かい合ってきました。その結果、人々は、自らの意見や声を共有し、広げていく活動にむけて支援していくべきコミュニティを積極的に探すようになりました。私は米国在住のオーストラリア人なのでここでの投票権はないのですが、いつしか自分が「人権を擁護し、何らかの形で声を届ける方法が選挙のほかにもあるのではないか」と探していることに気付きました。ですので、パロアルトネットワークスLGBTQIA+従業員ネットワークのエグゼクティブスポンサーを務める機会が訪れたとき、私はすぐさま手を挙げました。

地を均す

私は職場で公式に「カミングアウト」したことは一度もありませんし、自身のセクシュアリティが職場で問題になったことも幸いにしてありません。ですが、パロアルトネットワークスの従業員ネットワークグループで自らの特権について理解するという内容のウェブキャストに参加したとき、私はその内容がきわめて有益で啓発的であることに気づいたのです。それはある種の警告ともいえるもので、そこで私はあまりにも多くの人たちが基本的な人権を侵害されているのだということに気付かされましたし、職場で差別の対象になったことがないということが実はどれほど恵まれたことであったのかを知ることにもなりました。そこで私は、周囲にいる私ほど恵まれなかった人たちの声を代弁する必要があると感じ、最高人事責任者に連絡して伝えました。「私も何らかの形で貢献したいし恩返しがしたい。なにかの形で役に立ちたい」。この結果、ほどなく私はLGBTQIA+従業員ネットワークのエグゼクティブスポンサーの役割を担うことになりました。 

パロアルトネットワークスは、LGBTQIA+のメンバーにとどまらず、黒人、アジア人、ムスリム、ラテン系アメリカ人、女性、退役軍人、キャリアの浅い従業員などのための従業員ネットワークグループを複数主宰しています。これらのネットワークに参加している従業員はだれしも、自分たちの生きかたや職場についてのそれぞれの課題や懸念をかかえています。そこでこれら従業員ネットワークが、ときに自分たちの存在感の希薄さや声の届きづらさに悩み、孤立しがちな人々を迎え入れる受け皿として、経験を共有する場や、出された意見をまとめ、検証し、増幅していくことで理解を深め、支援につなげる場を提供してくれているのです。

ところで、LGBTQIA+ネットワークは、グループのメンバーあるいはその支援者であることを表明している方々を含めても、たった200人の従業員しかメンバーになっていません。これには驚かされました。パロアルトネットワークスは世界に数千人規模の従業員を抱える企業ですし、クィアの人々は概して目立つ傾向があるという事実を踏まえれば、その数の少なさは驚くべきことだと思えたのです。ですが振り返ってみれば、みなそれぞれにさまざまな事情をかかえて生きていることがわかってきました。同性愛者であることが違法とされる国もありますし、なかにはそれが死をもって償うべき罪とされていることもあります。違法とまでいかなくとも、特定の文化ではまだまだ同性愛にまつわる恥の感覚が根深く残っていることもあります。このような状況下で生きる人々は、その多くが沈黙し、恐怖と苦しみのなかで日陰の人生を歩むことを余儀なくされているのです。そのことを知った私は、少しでも力になりたいと思いました。

これまでも私はLGBTQIA+ネットワークに参加することで多くのことを学んできましたが、そこから得た気づきはいつもそれだけの価値があるものでした。私が最初に学んだことの1つが、同会のメンバーが自身を表す言葉についてです。その言葉は「自分自身をどう受け止めるか」という意味で非常に重要なものなので、間違った代名詞で呼んでしまうと、相手は自分が軽んじられている、ないがしろにされている、貶められている、疎外されている、そんなふうに感じてしまいかねません。相手がなんと呼ばれたいかを尋ね、その言葉を正しく使って呼びかける、これが、相手の性同一性を尊重するうえで、もっとも基本的な方法のひとつです。私たちのネットワークは、質問しあって理解を深める安全な場を提供し、みながよりよい同僚、対話相手、友人、そして仲間になっていけるようにしています。

インクルージョンとダイバーシティ(包括性と多様性)を中心に

経験、思想、経歴の多様性は、創造性と革新をじっさいに促進してくれるものです。パロアルトネットワークスのリーダーがこうした考えを全面的に支持していることを知って、私はとても嬉しく感じています。私たちのリーダーは意図的にかつ思慮深く、この会社がすべての人々を歓迎する非常に安全で包括的な場であるようにしてくれています。私は、こうした従業員ネットワークが、人々をつなぎ、率直な会話ができる安全な場を提供し、それにより、目に見えるかたちでじっさい不正に対応していく、そうした方向に大きく前進していく様子を見てきています。

こうした従業員、リーダー、LGBTQIA+グループのたゆみない努力が実り、
パロアルトネットワークスは2年連続でヒューマン・ライツ・キャンペーン財団の2021年企業平等指数(CEI)で満点を獲得し、LGBTQが平等に働ける最高の職場に選ばれました。CEIは、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クィア(LGBTQ)の職場での平等に関する企業方針・慣行を測定する、米国有数のベンチマーク調査・レポートで、この認定は、インクルージョンとダイバーシティに対するパロアルトネットワークスの取り組みの証といえます。

使命感を持って

エグゼクティブスポンサーとして私は目的意識を抱くようになりました。そして、何らかの理由で権利を奪われたり、自身の価値を否定されてしまった人たちに、彼らの存在や発言の重要性を自覚してもらうための支援を続けていけることを楽しみにしています。私は自身の専門的役割にくわえ、マーケティングリーダーシップチームのメンバーとして、よりいっそうこうしたネットワークグループのメンバーの声を届け、組織全体の問題に対する認識をさらに高め、ネットワークのメンバーがエグゼクティブチームとの取り組みを続けていけるように取り計らっていきたいと思います。その取り組みには、イベントの準備やコンサルティング、従業員ネットワークグループ間でのリソースの特定や共有、グループの取り組みの妨げとなりうる障害の解消を支援することなども含まれますし、メンバーの考えや懸念に耳を傾け、違いをもたらす立場にいる人々とそうしたものを共有することも含まれることでしょう。私たちのグループのイニシアチブの1つに、読書クラブがあります。この読書クラブでは、LGBTQIA+の登場人物や主題を含む文献を読んで、そこから社内のあらゆるバックグラウンドの人たちと議論を深めていけるようにしています。究極の目標は、人々がお互いにつながり、スティグマを認識して対処する方法を見つけ、他人を傷つけるのではなく助けていける、そのための様々な方法を啓発していくことです。

パロアルトネットワークスは大きく進歩しています。ですがやるべきことはまだ残っていますし、今後の道のりが楽しみでなりません。パロアルトネットワークスで働くすべての人々が、ただ受け入れられるだけでなく、つねに暖かく、敬意をもって迎え入れられるようにしていく、その役割を自分が担っているのだ、そこに私は大きな喜びと誇りを感じているのです。