ウィズコロナ・ポストコロナに向けたネットワークインフラとセキュリティの優先事項

新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大し、日本でも緊急事態宣言が発令される中、政府の専門家会議は「新しい生活様式」の実践例としてテレワークを挙げています。多くの企業が緊急事態宣言への対応を余儀なくされましたが、すでに当社ブログでも発表している通り、パロアルトネットワークスでも3月から全社的に在宅勤務を継続しています。

今回パロアルトネットワークスでは、新型コロナウイルス感染症対策として推進され、働き方改革やBCPの観点から今後も重要性が高まるテレワークの対応状況やポストコロナ・ウィズコロナ時代に向けた課題を明らかにすべく、年間売上高500億円以上かつ従業員500人以上の国内企業の意思決定者約456人に対して調査「テレワークジャパンサーベイ2020年版」を実施しました。

テレワークの阻害要因は「制度や人、文化」ではなく「ITインフラとセキュリティ」

本調査において、89.9%が新型コロナウイルス感染症対策として全社的あるいは部分的な在宅勤務を実施しており、その中の94.6%が在宅勤務時に問題や課題が発生して業務に支障が出ていると回答しています。問題・課題として「通信が遅くなったり重くなったりすることがある」が56.7%と最も多く、全社員における在宅勤務比率が高いほど顕著なことから、VPN(仮想プライベートネットワーク)による社内ネットワークへのアクセス増加や、データセンター経由でのクラウドやインターネットへのアクセスによって、ネットワーク帯域がひっ迫され、コストの増加や業務生産性に悪影響を与えていることが考えられます。また、「社内ネットワークへの接続に制限がある」も5番目(36.2%)に多く、VPN接続数の制限やキャパシティの問題などのネットワーク基盤を起因とする問題・課題が多く発生しています。

challenges with working from home
図1:新型コロナウイルス感染症対策の在宅勤務で発生した問題や課題(n=409)

また、在宅勤務を含むテレワーク実施の阻害要因としては、「テレワークを実施するためのアクセス環境が整備されていない」が40.1%と最も多く、「業務がオンライン化(ペーパレス化)されていない」(36.8%)、「テレワークができる社内システムが十分整備されていない」(33.1%)など、上位5番目までの回答がすべてITやセキュリティの不備によるものでした。紙やハンコに代表される「アナログ文化」の業務慣習、商慣行が足かせとなり、在宅勤務が可能な職種や業務が限定されていることが考えられます。ITインフラや業務システムの近代化とそれを支えるセキュリティの変革が、オフィス勤務と同等レベルでの業務をテレワークで実現し、それをウィズコロナ・ポストコロナの時代に向けて定着できるかどうかのカギとなっています。

Inhibitors to Remote Workforce
図2:在宅勤務を含めたテレワークを阻害する要因(n=456)
テレワークの実現性には前向きな一方、感染終息後の勤務先のテレワーク継続には悲観的

テレワークの阻害要因が解決された場合に「60%を超える社員」がテレワーク可能と回答したのは過半数を超え(51.9%)、環境が整えさえすれば多くの企業がテレワークを継続できることがわかります。一方で、新型コロナウイルス感染症終息後に「60%を超える社員」がテレワークを実施すると予測したのは12.7%に過ぎず、勤務先でのテレワークを一時的な例外措置として捉え、永続的な実施については悲観的な結果となりました。テレワークを行う個人としては実施可能な勤務形態と考える一方で、「アナログ文化」の業務プロセスやITインフラの未整備、今回経験した通信の遅延などの問題や課題から、広範なテレワークの実施は現実的ではないと評価していることが考えられます。

Remote Workforce Forecast
図3:新型コロナウイルス感染症対応でのテレワーク比率、阻害要因解決時のテレワーク比率、ポストコロナ後のテレワーク比率予測
ウィズコロナ・ポストコロナに企業が働き方改革やBCP推進において取り組むべきポイント

調査結果からも明らかなように、テレワークは実現可能な新しい勤務形態な一方で、定着させるには解決すべき問題や課題が伴うのが現実です。パロアルトネットワークスは、ウィズコロナ・ポストコロナの時代にも長期的な問題となる、テレワークをはじめとした働き方改革およびBCP対策に取り組む上での5つのポイントを提言します。

Recommendation for Post COVID-19
図4:ウィズコロナ・ポストコロナに向けて企業が取り組むべきポイント
  • ニューノーマルを前提とした再評価新型コロナウイルス感染症のようなパンデミックだけではなく、日本は市民生活やビジネスに影響を与える自然災害と常に隣り合わせにいます。また、少子高齢化にともなう人口構造やライフスタイルの変化による、人材の確保や維持は企業の長期的な課題です。あらゆる前提条件が覆る可能性がある中で、企業や社員の考え方、社内制度や慣習、ITインフラ、セキュリティなどのこれまでの取り組み全般を再評価する必要があります。
  • コスト構造の見直し:制度や施策といった企業の取り組みだけではなく、企業の投資も見直す必要があります。オフィス勤務前提の中で必要とされていた従来の設備費や固定費などを見直し、テレワークなどの新しい取り組みに投資を回すことも可能です。特にITインフラやセキュリティの領域は、刷新により設備強化とコスト削減を両立できることも多くあります。
  • ビジネスのデジタル化:社内の稟議やバックオフィス、契約、受発注など、日本企業の業務やプロセスには紙とハンコが不可欠であり、経済情勢や競争環境が厳しくなる中で、これらの「アナログ文化」は意思決定やビジネスの俊敏性を阻害する要因です。近年推進されるデジタルトランスフォーメーション以前に、合理性に基づいた業務やプロセスのデジタル化、システム化は、企業競争力に不可欠です。
  • ネットワークインフラの変革:従来のネットワークインフラは、データセンターを中心とした考え方のもとに成立していました。従来のアーキテクチャでは、ネットワーク帯域のひっ迫やコスト増加といった問題が継続するため、業務アプリケーションやデータがクラウドに移行し、自宅や共用オフィスなど社外の様々な場所からアクセスすることで境界線がなくなる今こそ、企業のネットワークインフラの在り方を見直すタイミングに来ています。
  • セキュリティの変革:クラウドやモバイルを駆使してテレワークを推進する中では、ネットワークの境界線はすでになくなっています。また、近年のサイバー攻撃や内部犯行の傾向から、社内ネットワークは安全で社外は危険、一度認証すれば信用できるという発想は時代遅れです。「信頼せず、常に検査する」という「ゼロトラスト」を前提として、企業のセキュリティ戦略を再構築することが肝心です。また、クラウド、モバイル時代のセキュリティアーキテクチャである「SASE(Secure Access Service Edge)」や、セキュリティ業務の自動化などによってテレワークでも運営可能な「リモートSOC」といった新しいアプローチも検討すべきポイントです。
調査レポート「テレワークジャパンサーベイ2020年版」について

新型コロナウイルスに対する他社の対応や課題、今後の展望について詳しく解説したレポート「テレワークジャパンサーベイ2020年版」を公開しています。以下のリンクからダウンロードして、今後の企業での対策に是非お役立てください。

レポートURL:https://start.paloaltonetworks.jp/telework-japan-survey-2020.html

Palo Alto Networks Café – vol. 2開催について

サイバーセキュリティのリーディングカンパニーであるパロアルトネットワークスが、新型コロナウイルス対応として行っている取り組みを様々な観点からご紹介するとともに、「テレワークサーベイジャパン2020年版」に基づき、国内企業の取り組みと直面した課題、ウィズコロナ・ポストコロナに向けた提言をご紹介するウェビナーを2020年6月17日に開催します。ふるってご参加ください。

参加登録ページURL: https://register.paloaltonetworks.com/covid19paloalto