理想の仕事にたどり着くまで

May 05, 2020
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私は現在、パロアルトネットワークスにて、JAPACデマンド ジェネレーション ハブ キャンペーン マネージャーとして、日本、アジアパシフィック市場全体でのデジタル マーケティング活動を介した需要の創出を担っています。世界中のさまざまな拠点のマーケティング チームやセールス チームとの密な連携、および協業が求められるこのポジションでは、業界で最も優秀な同僚と協業する機会が与えられていると感じます。米国をはじめ、日本、韓国、中華圏、シンガポール、インドネシア、タイ、フィリピン、インド、オーストラリアなどさまざまな国の同僚と接し、毎日のように異文化を体験しています。人種、性別、年齢によって不利な立場にあると感じたことは一度もありません。それは、多種多様な個人が皆、業務を遂行する上で、各々の知識と専門能力を尊重し、支え合いながら業務を遂行しているからです。

また、仕事と私生活のバランスを取る上でも大きな自由裁量が与えられています。私の家族は現在、複数の国に点在していますが、各国のオフィスから勤務をさせてもらい、業務を継続しながら、家族との時間を過ごすことも実現できています。私はこの理想的な仕事を自社の使命を果たすことに誠実に取り組み、その価値を実践している会社で、どのようにして手にすることができたのでしょうか。他の人にはない特別なスキルや技術的知識があったのでしょうか。そんなことはありません。単に運がよかったのでしょうか。そうかもしれません。ただ、実感として言えるのは、私は常に、幸運な瞬間を最大限に生かそうと心がけてきました。そのため、仕事には全力を尽くし、機会に対して先入観を持たないようにしています。そして、自分が今ここにいるのが幸運によるものであったとしても、それはとてもありがたいことだと感じています。

 

人生の転機

私は13歳になったばかりの頃に、父の転勤でロサンゼルスへと移り住みました。それまで日本で生まれ育った私は、ロサンゼルスの多様な文化に触れることで、まったく新しい世界が開けました。誰もがとても自由かつ個性的で、自分の感情を表現したり意見を述べたりしていることに、大きな衝撃を受けつつも魅了されました。言葉の問題は、やはり大の困難でしたが、すべてが秩序立っていて、調和が評価され、個性よりもチームワークが重視される国から来た私にとっては、個人としての意見を述べ、必要に応じて自分を強く出すということも、言葉の壁と同じくらい困難で自信のないことでした。それでも、私自身、同年代の生徒たちがさまざまな文化的背景を共有しており、そのため日本よりも直接的な方法で意思疎通を図ったり、自己主張することが、多文化社会で生存していくうえで必須のスキルだと本能的に察しました。そして幸いにも、私の周りにはそうした学びを得られる友人が多くいました。

思春期の5年間をアメリカで過ごした後、日本に戻り大学に進学しました。そこで待ち受けていたのは、逆カルチャー ショックです。それを強く実感したのは、日本のIT企業に初めて就職したときのことです。入社式で隣に座っていた同期の社員は、私が入社式でガムを噛んでいたことに対し、大変驚きすぐに注意を促してくれました。そのような態度が、日本では無作法で無礼だと思われることをすっかり忘れていたのです。そこで私は、日本のビジネスシーンには独特の礼儀作法が数多くあることを改めて学びました。たとえば、名刺交換を必ず両手で行うことや、ミーティングでの席次が地位などの上下関係で決められること、また率直すぎる意見を述べることで特定の個人が非難される可能性がある場合、そうした発言は控えるべき、など。これらはすべて、日本では敬意を示す控えめな振る舞いにつながります。

このような礼儀作法を学び直しながら働き始めるうち、一つ奇異に感じたことは、その会社では1つの会社に長く居続けることが高く評価され、それが給与にも反映されることでした。給与は、会社への貢献度よりも勤続期間によって決められていました。それは、自身の機会を求めて行動するより、同じ職場にとどまることで会社への忠誠を示すほうが望ましい、という、文化的、世代的なものの見方を反映したものです。こうした評価方法に違和感を覚え、自分とは方向性が合っていないと感じるようになりました。

自分に最適な職場

それから20年後に話を進めると、私は新卒で入社した最初の会社から今までに5回の転職を経験しました。「人は何によって動かされるのか」という好奇心、追求心が尽きず、また日米双方の文化を楽しむことができるという理由から、グローバルなハイテク企業で長年に渡りマーケティング業務に携わり続けることとなりました。最初の仕事以外では日本企業で働いたことはありませんが、その最初の経験がなかったら、会社から受け取る報酬がスキルと貢献度に基づいて決まるなど、今パロアルトネットワークスで得られている待遇に対して感謝することもなかったでしょう。そして、最先端のすばらしいテクノロジを日本のお客様に適切に伝える方法を知ることもできなかったと思います。

パロアルトネットワークスに入社して、3年が経ちました。この仕事を紹介してくれたのは、16年前の職場で直属の上司だった方です。私のスキル、成果、努力を長年にわたって覚えていてくださり、とても光栄なことだと思っています(もっとも、当時はまだ若く、スキルなどおそらくほとんどなかっただろうとも思いますが…)。パロアルトネットワークスでは、マーケティングに対して科学的なアプローチを取り入れており、推進しているマーケティング キャンペーンに効果があったか否か、またはビジネスにどのような影響をもたらしたかを可視化し評価するなど、日々新しいことを学んでいます。この仕事はとてもエキサイティングで、恵まれた環境にいると感じています。理想の仕事に就くまでの道のりは、常に順風満帆だったわけではありません。そしてそれは、今後も変わらないでしょう。それでも今わかるのは、成長の機会に対して柔軟な気持ちを持ち続け、しかるべき人達の間に身を置くことが重要だということです。そうすることで、モチベーションを保ち、自分自身に挑戦する意欲を駆り立てることができるのです。成長の機会は、いつもそれとしてはっきりと現れるものではありませんし、楽しいことばかりでもありません(言葉も理解できず、学校の仕組みもわからない外国の学校に送り込まれた私のように…)。ただそうした機会を見逃さず、そこから何かが得られるものと信じて、その機会を最大限に楽しんでみてください。それが、次のレベルへと到達する力に変わるのです。


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